
喫煙の状況
現在、習慣的に喫煙している者の割合は 16.7%で、男女別にみると、男性 27.1% / 女性7.6%です。この10年間でみると、いずれも有意に減少しています。
年齢階級別にみると、30~60歳代男性では他の年代よりもその割合が高く、習慣的に喫煙しているのは約3割という結果になっています。
令和元年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果より
たばこが健康におよぼす影響
たばこはがんだけでなく、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)、脳卒中などの循環器の病気や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器の病気の原因でもあります。
たばこが口と歯に与える影響
- 歯周病が進行する原因になる
- 舌癌など口腔がんの発生率の上昇
- 口臭の原因
- 歯や歯茎が着色する
このような喫煙の害に関する知識は、私たちのなかでかなり認知されてきています。
最近では、たばこと認知症の因果関係に関する興味深い研究結果が出ています。
たばこと認知症
たばこを吸う習慣のある人は、認知症の発症リスクが高いことが明らかになりました(※)。また歯数の少ない人は、認知症のリスクをはじめ、さまざまな全身疾患のリスクが高くなることが知られています。
歯を失う主な原因はむし歯と歯周病ですが、喫煙習慣がある人はたばこに含まれるニコチンなどの毒素が、歯周病やむし歯の進行しやすい環境をつくってしまうため、歯を失うリスクがさらに高く、歯の喪失が認知症のリスク上昇につながっている可能性があるということです。
(※)東北大学大学院歯学研究科の研究グループが約3万3,000人の65歳以上の高齢者を対象に行った9年間の追跡調査による。
認知症の発症率と喫煙習慣と歯の関係
2010年時点での喫煙状況と、2013年時点での歯数を調査し、2013~2019年の認知症の発症の有無との関連を調べた研究結果(※)によると、認知症の発症率は、喫煙習慣のあった人・歯数の少ない人で高く、喫煙習慣のあった人では認知症のリスクが1.18倍高いことがわかりました。
喫煙と認知症の発症との関連について、約20%は 喫煙 → 歯の喪失 → 認知症発症 という経路で説明されることも明らかになりました。
(※)東北大学大学院歯学研究科の研究グループが、日本全国の高齢者20万人を対象とした大規模研究である「日本老年学的評価研究(JAGES)」に参加した65歳以上の高齢者を対象に、9年間追跡調査したもの。
さいごに
喫煙習慣と歯が認知症発症との関連が明らかになったことで、今後は歯科医院での禁煙指導・禁煙治療を推進するような仕組み作りが必要だと考えられています。
喫煙習慣 → 歯の喪失 → 認知症発症 という連鎖を引き起こさないよう、虫歯と歯周病予防に対する日々のセルフケア、禁煙に対する取り組みが大切です。
出典
日本歯科医師会
「歯とお口のことならなんでもわかるテーマパーク8020
https://www.jda.or.jp/park/relation/nosmoking.html
東北大学大学院歯学研究科
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jcpe.13959
厚生労働省「たばこと健康に関する情報ページ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/index.html
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