
クラミジア感染症(性器クラミジア感染症)は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって起こる性感染症(STD・STI)です。世界的に最も多い性感染症の一つとされており、日本でも厚生労働省の感染症発生動向調査において、報告数の多い性感染症とされています。
クラミジアの特徴として重要なのは、感染しても症状がほとんど出ないことが多い点です。そのため、自分では気づかないまま感染していることもあり、パートナー間で感染が広がることがあります。
この記事では
- クラミジアの原因菌
- 感染経路
- 男性・女性の症状
- 検査方法
- 治療方法
について、医学的文献をもとにわかりやすく解説します。
クラミジアとはどんな細菌?
クラミジア感染症の原因は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌です。
この細菌には次の特徴があります。
細胞内寄生菌
クラミジアは、人の細胞の内部に入り込んで増殖する細菌です。
通常の細菌とは異なり、細胞内で増殖するため「細胞内寄生菌」と呼ばれています。そのため治療には、特定の抗菌薬(抗生物質)が使用されます。
粘膜に感染する
クラミジアは主に以下の粘膜に感染します。
- 尿道
- 子宮頸管
- 咽頭(のど)
- 直腸
- 眼
そのため、性行為の種類によって感染する部位が変わることがあります。
クラミジアの感染経路
クラミジア感染症は、性的接触によって感染する性感染症です。厚生労働省によると、主な感染経路は以下の通りです。
性行為による感染
- 膣性交
- オーラルセックス
- アナルセックス
感染者の粘膜や分泌物が、相手の粘膜に接触することで感染します。
近年は、咽頭クラミジア(のどのクラミジア感染)も報告されており、オーラルセックスによって感染することがあります。
母子感染
妊娠中の女性がクラミジア感染している場合、出産時に赤ちゃんへ感染することがあります。その結果、
- 新生児結膜炎
- 新生児肺炎
などが起こる可能性があります。
クラミジア感染症の症状
クラミジア感染症の最大の特徴は、無症状の感染が多いことです。米国CDCの報告では、
- 女性感染者の約70〜80%
- 男性感染者の約50%
が無症状とされています。そのため、
- 「クラミジア 無症状」
- 「クラミジア 気づかない」
などの検索が多く見られます。
男性のクラミジア症状
男性では主に尿道炎が起こります。
- 排尿時の痛み
- 尿道の違和感
- 尿道からの分泌物
- 精巣の痛み(精巣上体炎)
感染から1〜3週間程度の潜伏期間の後に症状が出ることがあります。ただし男性でも症状が軽い、または自覚しないケースがあります。
女性のクラミジア症状
女性では主に子宮頸管炎が起こります。
- おりものの増加
- 不正出血
- 下腹部痛
- 排尿痛
- 性交時の痛み
しかし女性の場合、無症状のことが多いとされています。
クラミジアを放置するとどうなる?
クラミジア感染を治療せずに放置すると、合併症が起こる可能性があります。
女性の合併症
クラミジア感染は、女性不妊の原因の一つとして知られています。
- 骨盤内炎症性疾患(PID)
- 卵管炎
- 不妊症
- 子宮外妊娠
男性の合併症
- 精巣上体炎
- 男性不妊の原因になる可能性
さらに男女ともに「反応性関節炎」が起こることが報告されています。
クラミジアの検査方法
クラミジアの診断には、PCR検査などの核酸増幅検査(NAAT)が広く使用されています。
この検査は、クラミジアの遺伝子を検出する検査で、感度・特異度が高いとされています。
男性の検査
• 尿検査
女性の検査
• 膣分泌物検査
• 子宮頸管検査
咽頭クラミジア検査
• 咽頭ぬぐい液検査
性感染症検査は、症状がなくても検査可能です。
クラミジアの治療
クラミジア感染症は、抗菌薬による治療が可能な感染症です。WHOやCDCの治療ガイドラインでは、以下の薬が推奨されています。
主な治療薬
ドキシサイクリン 7日間内服
または
アジスロマイシン 単回内服
これらの治療により、感染は改善することが多いとされています。
治療時の注意点
クラミジア治療では、次の点が重要です。
パートナーの検査・治療
片方だけ治療すると、再感染(ピンポン感染)が起こることがあります。
治療後の性行為
治療後は、医師の指示に従い一定期間性行為を控えることが推奨されています。
再検査
必要に応じて治療後の再検査が行われることがあります。
クラミジア検査をおすすめする方
次のような場合は、性感染症検査を検討するとよいとされています。
- 性感染症が心配な場合
- 新しいパートナーがいる場合
- パートナーが感染した場合
- 性器症状がある場合
クラミジアは無症状感染が多いため、早期検査が重要とされています。
まとめ
クラミジア感染症は
- 性行為によって感染する細菌性感染症
- 無症状の感染が多い
- 放置すると不妊などの原因になる可能性
- 抗菌薬で治療可能
という特徴があります。
感染の可能性がある場合は、医療機関で相談し、検査を受けることが推奨されています。
出典(医学文献)
厚生労働省「性感染症に関する情報」
https://www.mhlw.go.jp
厚生労働省「性器クラミジア感染症」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou
CDC「Sexually Transmitted Infection Treatment Guidelines」
https://www.cdc.gov/std
WHO「Guidelines for the treatment of Chlamydia trachomatis」
Mayo Clinic「Chlamydia diagnosis and treatment」
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