
これまでの歯科の定説は…
歯科保健指導においても、この説はまさに定説のようになっていましたが…
↓ しかし最近では
- 食器の共有をしないことでう蝕予防ができるという科学的根拠は、必ずしも強いものではない
- 親の唾液に接触することが、子どものアレルギーを予防する可能性を示す研究報告
→ 定説が翻るような見解が示されています!
食器を共有する生後5か月以前に、親の唾液はすでに伝播しているということも最近の研究で確認されています。
むし歯と歯周病菌はどこから?
▮ むし歯菌
母親(親)→ 子
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌や歯周病菌は存在しません。
しかし、次第に主に母親由来の口腔細菌が定着していることがわかっています。
家族間で菌を共有し乳幼児期の口腔にむし歯菌も常在菌として定着していきます。
▮ 歯周病菌
パートナー? 親? → 子
数ある歯周病菌の中でも、3つの歯周病菌の複合体を「レッドコンプレックス」と呼び、重度の歯周病に関与しているようです。
この中でも最強最悪の菌が「Pg菌」です。
Pg菌は18歳以降に感染することから、「パートナーからの感染」といわれています。
犬や猫 → 飼い主
犬と飼い主も、相互に菌を共有しているという報告があります。
犬の顔の形状の特徴として、特に小さな顔の小型犬の場合は、
- 歯根と目や脳までの距離が近い
- 顎の形の骨も小さい
このことから、顔が腫れたり目から膿が出たりと、犬の歯周病は思いもよらぬ重篤な事態になることがあるので注意が必要です。
マイクロバイアルシフトとは
唾液を介して菌は伝播、共有していきます。
しかし、口腔常在菌のバランスがとれていれば、虫歯や歯周病は発症しません。
お口を取り巻く環境のバランスが崩れて、ある種の口腔細菌が病原性を高めることを「マイクロバイアルシフト」といいます。
高病原性にシフトした状態のバイオフィルム(※)がむし歯や歯周病を発症させ、進行していきます。
(※)お口の中のバイオフィルムは歯垢(プラーク)のこと
むし歯や歯周病を防ぐ方法
むしば歯や歯周病にならないためには、バイオフィルムの量を減らしたり除去する必要があります。
粘着性なので、うがいや強い水流を当てるくらいでは簡単には落とせません。
しっかりと歯ブラシ等の毛先で物理的にこすって膜をはがす必要があります。
ケアについて
セルフケア
歯ブラシによる歯磨きだけではきれいに磨けたと思っても実は6割程度しか落とせていません。
歯間部はデンタルフロスか歯間ブラシなどの歯間清掃用具を使って磨き残しがないようにしましょう。
高濃度フッ素の入った歯磨き剤には、歯の修復や静菌作用があります。
プロフェッショナルケア
セルフケアで落としきれないバイオフィルムは、歯科医院にて専門的な機械を使い歯周ポケット内までクリーニングする定期的なメンテナンスを受けましょう。
口腔は新型コロナウイルスの増殖部位である可能性も!
ウイルス感染から身を守る方法として、これまでの経験から口腔のケアの大切さが強調されています。
特に口腔を潤す唾液中には、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスをブロックするIgA抗体が認められています。
IgA抗体が効果的に働くためには口腔の清潔さが大切です。
最近では、歯磨き剤に含まれる複数の成分が、新型コロナウイルスの生体への結合や侵入をブロックする可能性が明らかになっています。
これからの時代の歯磨き剤を用いた歯磨きは、むし歯や歯周病予防と同時に、ウイルス感染対策という新しい役割があるということがわかってきました。
気軽にできる感染対策としても歯磨きをしていきましょう。
【出典】
日本口腔衛生学会
「乳幼児期における親との食器共有について」
日本歯科医師会
「ニューノーマル時代の歯磨きの新しい意味とは?」
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