健康コラム

転倒災害がふえています ~早いうちから転倒防止対策を!~

転倒災害の現状

職場での転倒災害は、令和2年で30,929件(休業4日以上)と労働災害で最も多く(25%)、増加傾向にあります。
特に女性は50代から転倒が増え始める傾向にあります。

転倒予防は、女性や高齢者が益々活躍できる社会の実現のためにも、大変重要な課題です。

 

どうして転びやすくなるのか?

平衡性
足腰の筋力が衰え、歩くときに足を上げる高さが低くなるとつまづきやすくなります。身体平衡機能の指標である閉眼片足立ち時間は、年齢を重ねると大きく低下します。

敏捷性
危険をすばやく回避するための危険回避能力の指標である全身敏捷性(ジャンプ・アップ回数)は、加齢と共に急速に低下します。

視認性
加齢による水晶体の弾力性や光の透過率の低下により、視力や暗い場所での視認性が低下します。

 

転倒のリスクをセルフチェックしてみましょう

☐ 開眼片足立ち時間(秒)が短い
☐ 椅子から手を使わずに立ち上がれない
☐ 昨年と比べて、健康状態があまりよくない
☐ 過去1年間に転倒したことがある
☐ 運動プログラムへの参加が5年未満 ※
☐ 今日が何月何日か分からないときがある
☐ お茶や汁物などでむせることがある

出典:兵庫県立大学と大阪公立大学による
「地域在住高齢者のデータベースを用いて開発した転倒確率評価ツール(特許出願中)」

※研究グループは過去に、「いきいき百歳体操」と呼ばれる地域密着型の介護予防のための運動プログラムに長期間参加することが、下肢筋力の低下を改善し、加齢にともなう歩行速度や身体機能の低下を遅らせることを報告しています。

 

転倒防止対策①

筋力トレーニング

40代に入ると徐々に筋肉が減少し始めるため、転倒防止対策は早めに始めるのが有効です。下半身の筋力強化で転倒防止対策をしましょう。

1.下腿の筋力強化
2.大腿の筋力強化
3.臀部の筋力強化

これらの強化のためにヒールレイズ、フロントランジが有効です。

▮ヒールレイズ
ヒールレイズは、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を鍛えるのに効果的です。ふくらはぎの筋力を強化することで歩行が安定し、膝や股関節への負担を軽減することができます。またふくらはぎの血流も良くなるので、脚のむくみ改善や予防にもなります。

  1. 直立した姿勢で、足を肩幅に開きます。両手は腰に置くか、バランスを保つために壁に手をつけます。
  2. ゆっくりとかかとを持ち上げ、つま先立ちになります。このとき、ふくらはぎの筋肉が収縮しているのを感じましょう。
  3. その姿勢を数秒間保ち、ゆっくりとかかとを下ろします。
  4. これを10回繰り返します。1セットが終わったら、3セット行うことを目標にしましょう。慣れてきたら片足ずつ行うと、さらに効果的です。

▮フロントランジ
フロントランジは、下半身全体を鍛える効果があり、特に大腿四頭筋やハムストリングス、臀部の筋肉を強化します。

  1. 直立した姿勢で、足を肩幅に開きます。
  2. 片足を前に大きく踏み出し、両膝を90度に曲げます。後ろの膝は床に近づけますが、床にはつけません。
  3. 前足の膝がつま先を超えないように注意しながら、体をまっすぐ保ちます。
  4. その姿勢を3秒間保ち、元の位置に戻ります。
  5. 反対の足でも同じ動作を繰り返します。これを左右交互に10回ずつ、3セット行うことを目標にしましょう。

 

転倒防止対策②

つまづきやすい状況をつくらない

転倒しやすい場所は「ぬかづけ

  → ぬれたところ

  → 階段、段差

づけ → 片づけていないところ

職場等で転倒しやすい場所はないか確認し、改善しておきましょう。

 

転倒防止対策③

自宅内の対策も忘れずに

① 部屋の照明は明るく
② キャスターのついた家具に注意
③ 床に物を置かない
④ カーペットの縁や電気コードに注意
⑤ 浴室の床にクッション性のあるものを(滑りにくくするため)
⑥ 玄関や脱衣所のマットには滑りにくいものを
⑦ 低めの腰掛を利用する(不安定な姿勢をさける)
⑧ スリッパよりルームシューズ
⑨ 踏み台は幅が広く安定するものを選ぶ
⑩ 部屋をすっきりさせて通路を確保する

 

まとめ

人生100年時代となった現代では筋力がますます重要になっています。

転倒防止のため、職場や自宅の環境を整えることと日々の筋肉トレーニングを習慣づけ、なるべく継続することが必要です。

 

出典

厚生労働省「職場の安全サイト」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/tentou1501_14.html

健康長寿ネット「ロコモ体操」
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/locomotive-syndrome/rokomotaiso.html

 


もちづき内科クリニックは、戸越公園駅より徒歩約3分、品川区にある内科・アレルギー科のクリニックとして、女性医師が丁寧な診療を行っております。

休日診療にも対応し、一般保険診療からNMN点滴などの自由診療まで幅広くご相談いただけます。
土日の雇入時健康診断も受け付けております。